めざし女の処方箋

基本ダメダメ女のための緩いブログです。

20年間寄り添った夫婦が離婚をした話

私がまだギリギリ20代だった頃。
勤め先のアラフィフの女性(仮名:あゆさん)がバツイチでした。

その日は仕事が暇で、その女性と世間話をしていて、話の流れで離婚をしたのは結婚20年目でお子さんが高校生だったころだと話してくれました。

 

当時私はまだ結婚していませんでしたが、かなり結婚願望と出産願望がありました。
「子供がいて、結婚20年続けていたら、子供が成人するまではなんとか続けようって気持ちが大きくなるもんなんじゃないかな?」

と、経験不足故に疑問に思いました。

私は不躾にも「20年我慢できていたものが、どうしても我慢出来なくなってしまった理由ってあるんですか?」と、あゆさんに聞いてしまったんです。

あゆさんは、嫌な顔せず答えてくれました。

「20年ってね、意外と長いのよ」

 

 

 

彼女の中の20年間とは

私がその職場にいたのはもう十数年前で、職場もなくなり、その方に許可を得て書けるわけではないので、少しぼやかして私の主観を交えて書きます。

ノンフィクションを元にしたフィクションくらいの感覚でお読みください。

 

彼女の20年間は、「相手が変わっていくのを見た20年間」でした。

 

あゆさん夫婦は共働きだったのですが、ご主人は仕事の出来る方だったようで、だんだん大変な部署の責任ある立場に配属されていくようになりました。

あゆさん的には、ご主人の仕事が忙しくなってきたから、自分は仕事をセーブして子育てと家事とをすべてこなせるようにし、子供関係の愚痴や悩みも一人でなんとか切り抜けて行こうと頑張りました。

 

結果、ご主人はより『仕事』のみに没頭するように。

ご主人は、家族に対して思いやりを失っていったそうです。

反抗期の息子に「家のこと何もしないくせに!」と言われたら、「こっちはどれだけの重責を背負っていると思ってるんだ!どれだけの金を稼いでいると思っているんだ!家のことくらいやって当たり前だろう!」と言い返し、あゆさんに「こんなに反抗的なのは、お前が俺に文句を言えとか言っているんだろ!俺がいないからといって好き放題しやがって!」と言い放つ。

あゆさんは相手を楽にしようと自分一人で担ってきたものが、全否定されたように感じてしまいました。

 

立場は変われば人は変わる。20年間という年月は、愛する夫を変え、そして自分の価値観を変えるには十分な時間だった、あゆさんはそう強く実感したそうです。

「赤ちゃんの頃はオムツも嫌がらず替えてくれたのにね」

あゆさんはそうつぶやいていました。

 

私も子を持つ主婦なので、あゆさんの言い分はとても分かります。おおいに共感します。

ただ、ほんの少しだけあゆさんのご主人の気持ちもわからくもないです。

たぶん、 ご主人的には「お金を稼ぐ」こと自体が家族の幸せと考えていたのでしょう。

家族を養う辛さを抱え、そして自分が壊れるほどに必死で仕事を頑張ってきたのに家族には尊敬されないむなしさ。そしてご主人は社会の色々をあゆさん以上に見てきたことで、仕事の辛さを理解できないあゆさんのことを大切に思えなくなってしまったのでしょう。

これはもう「価値観の違い」という言葉以外に思い浮かぶ言葉はありません。


夫婦にとって大切なものって何でしょう?

私たち夫婦は、あゆさんたち夫婦の半分、結婚して丸10年です。

私は夫が好きですし、夫も……そうであってほしいです(笑)

っつーか、未だになんで私を選んだのかわからない部分あるしw

 

どちらかというと、主人がしっかりしていてこだわりの強いタイプ、私が大雑把で適当なタイプ、息子も私の血を明らかに引いて片付けが下手なタイプなので、主人にしてみたらあゆさんのようにストレスを感じていて、私がそれに気づいていないだけかもしれません。

私たち夫婦にとっての10年は、あゆさん夫婦のようにそんなに劇的な変化がなかったことが幸いしただけなのかもしれません。

 

 夫婦にとって大切なことって何でしょう?

それは夫婦によって違うと思いますが、「価値観のすりあわせ」なんでしょうね。

全ての価値観を一緒にすることは出来ないから、相手に合わせる部分も自分に合わせてもらう部分も当然あるんだけれども、あまりにも離れすぎてしまうと価値観をあわせる気がなくなってしまう。

だから、離れる前にどこかで微調整をしていくという繰り返しなのかな。

 

我が家には「お互い価値観の違う部分に関しては目をつぶって諦める」という価値観が一致しているので、微調整はそんなに大変じゃないのですが、今後年を重ねることによって、溜まりに溜まってこの「微調整」ができなくなったり、目をつぶれないような価値観の差が出てきてしまう出来事が起きたりするのかもしれない。

 

なんとなく、我が家が離婚する時は夫からの一言な気もしないでもない。

私の方が色々と合わせてもらっているから。

幾らいま幸せでも、この先はわからんですよね。「大切にしたい」という気持ちを持てるうちはお互いを大切にして行ったら、30年40年と続けて行けるのかな。

そう思うと、少しは夫に優しく出来るかなとも思います。