どうすれば痴漢被害 / 痴漢冤罪はなくなるのか
私が最初に痴漢に遭ったのは中学1年生の頃でした。
最初は何が起こったのかすらわからずに、スカートの中に手を入れられ、ようやく「これは痴漢というものなんだ」というのに気付きました。
まさか自分がそんな目にあうということすら考えられず、とにかく怖くて、どうすればいいかすらわからなくて、次が降りる駅だったんでとにかくドアが開いたら逃げようとだけ思いつきました。そして、私が周りに被害を訴えないのを察知したのか、下着の中にまで手を入れられました。
なぜこんな話をしはじめたかというと、下記の記事を読んだからです。
痴漢が多いと悪名高い某通勤電車で通学していた私は、高校を卒業するまで何回も痴漢被害に遭いました。
制服脱いだだけで被害がだいぶ少なくなりましたが。
高校卒業するころにももうそりゃ強くなって、事前に逃げたり、足を踏んだり、「やめてください」と言えたりしたのですが、某おニャン子の痴漢冤罪の歌のように、手を掴んで「この人は痴漢!」と周りの乗客に訴える事だけは出来ませんでした。
ある程度大人になって、その痴漢被害のことを友人に話していた時「そんなにたくさん痴漢に遭ったのを自慢したいの?」と言ってくる男性がいました。
そのとき、男性にとって痴漢は「魅力的な女性」が受けるもので、痴漢に遭う=魅力的=だから人に話す という発想があることを知りました。
まぁ、通常の精神の男性だとそうですよね。好みの美人で色っぽい女性を触りたい。
でも、現実はそうではないんです。
私が訴えたかったのは「地味な人間ほど狙われやすい」ということだったんです。
痴漢は大人しい女子を狙う
まずは声を大にして言いたいのは、リンクの記事の下の方にある部分
【加害者は「大人しそうで被害を訴えなさそうな人」を選びます】
この文章です。
痴漢の加害者である男性は露出があったり色気のある女性にムラムラして思わず触ってしまうのではないんです。
「痴漢をする行為」の目的の為に、自分が捕まらないために、声を上げることが出来なさそうなタイプを選ぶんです。
中学に入ったばかりで、地味で、ブサイクな顔がコンプレックスだったあの時。
まさしく私がその「地味で痴漢に狙われやすいタイプ」でした。
当時、幼児体型でブサイクな自分が何故触られるのかわかりませんでした。
痴漢なんて男の人の妄想の中の生き物で、実際やる人なんていないと思っていたので、怖かったんです。
そして、下着に手を入れられて下半身を触られてしまったなんて、恥ずかしくて友達にも親にも言えませんでした。しばらくは誰にも言えず、立ち直れないほど大きく傷つきました。
さすがに慣れてきたらある程度の自己防衛は出来るようになりましたが、それでも「この人は痴漢です!」と叫ぶことが出来なかったのは、勇気が無かったからです。
加害者に「お前みたいなブス誰が触るかよ!勘違いするんじゃねぇよ!」と言われて逃げられ、周りがその意見に同調してしまったら……。きっとお客さんは可愛い子しか助けてくれない。そう考えると声が出ませんでした。
きっと痴漢冤罪も同じ
これは「冤罪に遭うタイプ」も同じことが言えるのではないでしょうか。
痴漢冤罪を狙った女性は、大人しいタイプ、しどろもどろではっきり訴えられなさそうな男性をカモにしています、きっと。
見た目が地味で、周りに助けを求められない、周りが味方に付いてくれなさそうな人。
人は声が大きい方に流される傾向があります。
「痴漢よ!」と女性が叫び、仲間の男性が「お前何してるんだ!俺見たぞ!」なんて言おうものなら、真実はどうであれ、一気に声が大きい方に注目が集まります。
そのときに「痴漢」と言われた男性が、何が起きたか分からずにしどろもどろしていたら、その男性を擁護しようと思う人は少なくなりますよね。
実際電車の中ではスマホを見ていて人の動向なんて見ていないですし、赤の他人だからはっきりしない件に関して首を突っ込んで、面倒に巻き込まれたくないし。
どうしたら冤罪や痴漢被害はなくなる?
もし、痴漢だ、いや違うと揉め事があった時に、誰かが冷静に声をかけてくれたら。
もし本当の痴漢だったら、勇気を出して訴えた女性はホッとするでしょう。
冤罪だったら、冷静に対処してくれる誰かがいるだけで安心するかと思います。
さすがに声をかけるのは勇気が無くて無理って人も多いと思います。
でも
「痴漢が狙うのは地味な女性」
この部分を大半の人が理解できれば、意外と冤罪と本当の痴漢って区別がつくかもしれないって思ったんです。
ギャースカ叫ぶ強気でスタイルの良さげな女性におどおどした男性。
社会的地位が高そうな中年男性に地味で見た目があまり宜しくなく、「ホントにこんな子を触ったのか?」と思われる様な女性。
もし上手に訴えができない方が訴える状況が作れたなら、真実はわかるかもしれません。
「痴漢されるのは地味な人が多い」
この認識が共通の認識として受け入れられれば、痴漢された地味な人も少し勇気を持って痴漢被害を訴えることができると思うし、冤罪に遭いそうな場合も「地味な男性だから冤罪なのかも?」って周りが考えてくれると思えば冤罪を訴えやすくなるんじゃないかと思うんです。
美人は女性専用車両を使わない?
昔流行ったネタ画像↓
よく「女性専用車に乗るのは……」というリンクのネタのような話を聞きますが、派手な美人より確実に地味なタイプの方が痴漢に遭っていると私は思います。
そして、友達が大勢いるより、一人で登校しているタイプ。これも狙われちゃいます。
だから、自分の身は自分で守らなければならない人間が女性専用車両を使う。
ただそれだけのことだと思うんですよね。
あとは単に混雑や男性が苦手な人とかが乗るんでしょうけれども。
「女性専用車両なくせ」と女性専用車両を使う女性に怒りをぶつける男性は、矛先が間違えていると思います。
もちろん女性専用車両は鉄道会社の「お願い」ですので、乗る分には勝手にしたらいいのかもしれないけれども、それじゃあ問題は解決しないし、お互いに嫌な思いをするだけ。
痴漢に遭う女性被害者も、女性車両が逆差別だと思う男性も、冤罪を訴えられる男性側も、「痴漢」さえいなくなれば問題がなくなるわけです。
女性車両云々、冤罪云々を訴える力を、「痴漢とは何か」「なくすためにどうするか」の方にも回してほしいと、切に願います。
痴漢はなぜ起こるのかを知り、痴漢の実態を知る。
これだけでも、きっと少しずつ痴漢被害は減るのではないでしょうか。